(コミックアゲイン 昭和54年5月号)
Kyoran-Seiun-Ki
(1) "The small universe"
6, young and old people of both sexes, make living in a very small and uncomfortable room of a spaceship.
One day, their peace and quiet is broken all of a sudden.
四畳半を連想させるほど狭い小型宇宙船の中で老若男女6名が暮らしている。或る日、この世界の平穏は突如破られ、そして……。
*このシリーズの第2話を読んだ後、当時アシスタントだった沖由佳雄先生とお会いして雑談する機会を得、
「何だか独特な雰囲気になってますねえ?」と言ったら、
「うん、あれはついにギャグなしで終わってしまった」と、当惑したように語っておられた記憶がある。専属アシスタントとして吾妻先生のお膝元にいた氏が驚いたくらいなので、僕ら読者の驚きは更に大きかった。実際このシリーズは陽気でも陰気でもなく、かすかな不安や失意をはらんだ不思議な様相で展開し、幸福とも不幸ともつかぬ不思議な世界が描かれている。そしてそれら7つの世界は、僕ら読者が作品を読み終わったあともなお、ずっと、どこか別の空間でいつまでも存続して今なお登場人物たちが生活を続けているのではと思わしめるのだ。
*この作品が掲載された『月刊COMIC AGAIN』は、その創刊号の表紙に文言があるとおり、『ペケ』(こちらには『どーでもいんなーすぺーす』が連載されていた)が改題されたものだった。それで、『ペケ』の最終号にあった『COM特集』も引き継がれ(?)、PART2が15ページにわたり組まれている。 しかも、その編集長となった鈴木清澄は『COM』編集にたずさわっていた人で、この創刊号の2ページ目にある『創刊メッセージ』によればこの『月刊COMIC AGAIN』は、「COMのような本を作」るべく再出発した雑誌であったようだ。