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04 チョコレート・デリンジャー

(付記)

Chocoderri

A series about activities of Ms. Chocolate Sundae the lovely private detective. But, please be careful. This is not an ordinary detective story...

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(2008年1月25日付記:『チョコレート・デリンジャー』は青林工藝舎から再販された。定価1100円+税。巻末には描き下ろしのマンガ『あとがき』(2ページ)を収録。また、コシオビ(画像参照)にもあるとおり実写映画化が進んでいる! 監督=杉作J太郎、主演=松本さゆき、制作=男の墓場プロダクション)

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第1話 甘い妙薬

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(月刊プレイコミック 1980年6月号)
"a sweet miracle drug"

At a housing district, in the daytime. A pretty young lady is sitting down on the road as if she is fainted away. A young man finds her when he just happened to be passing by. He tries to wakes her up and says, "What's the matter with you ?"...

 昼の住宅街、路上に若い女が、気絶したのか座り込んでいる。通りがかった若者はこれを発見して驚き、「どうしましたお嬢さん」と助け起こすのだが……。

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*主人公はありきたりな仕方で初登場をすべきではないだろう。この作品はまさにそうなっていて、ヒロインであるチョコレート・サンデー女史(これはもう無国籍どころか現実離れもはなはだしい名前である)が、これからとんでもない事をやらかすであろうと予感させている。ごく普通の人たちと比較される事によって、主だった登場人物たちは自分が「普通とは違う」事を示せるのだ。
 連載終了(1982年7月号)の直後に出たらしい単行本(昭和57年8月20日初版とある)の中表紙を見ると「不条理探偵ギャグ」という定義づけが記されている。「不条理ギャグ」というのが吾妻作品のキーワードとしてこの時(昭和57=1982)既に定着していたようだ。辞書によれば不条理とは「すじみちがきちんと立たないようす。道理にあわないようす。」の意味である。常識的に考えると、探偵ものというのは理屈の積み重ねで作者と読者が知恵比べするのを楽しむものだろう。だとすれば、推理ものほど「不条理」と合わないものもないのではあるまいかと思える。にもかかわらず吾妻ひでおは、この無謀な組み合わせを試みているのだった。まるで突然変異が起こるのを待ち望むかのように。
 この作品は月刊誌で2年間連載が続いた(だから人気はあったはずだ)が、人によって好き嫌いが真っ二つに分かれるのではないかと思える。お堅い読者には「わけがわからない、ひどいでたらめだ」という読後感になり、柔軟な発想を好む読者なら「よくまあこんな展開を考えつくもんだ」と笑って感心するかも知れない。何に笑うかというのは意外と個人差が大きいもので、もし最大公約数を狙うとすればNHKのバラエティあたりでやりそうな、よく言えば万人向きで上品、悪く言えば平凡で古めかしい印象の喜劇が出来上がるのではと思える。吾妻ひでおは凡庸になるのを拒み、成功して拍手を受けるか、大失敗して悪罵を浴びるか、あえて危険な実験をこの作品で試みたと言えるのではないか。



第2話 こっこのショック

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(月刊プレイコミック 1980年7月号)
"a spawn's shock"

Ms.Chocolate establishes her office in a police station (in other words, she took over there). Policemen to be that as if they are her servants. Then they receive news that robbers have shut themselves up in the bank with took bank clerks as hostages. Ms.Chocolate works out a strange strategy in the unusual way, and sneaks into the bank...

 警察署内に事務所を開設した(というより、乗っ取った)チョコ。警官たちは彼女の下僕のようになってしまう。そこへ、強盗が、行員を人質にして立てこもったと知らせが入る。その対策にチョコはまるで定石を無視した奇妙な戦略を立てて潜入する……。

*舞台が「皿漫田警察」という名称であるが、これはサラマンダー(火の中にすむと言われる架空生物)にちなんだ命名と思われる。いつも火中にあるかのように騒動が絶えない、といった意味合いであろうか。
 チョコの相棒である三蔵は、その名前で分かるとおり西遊記からきたキャラクターで、吾妻作品『きまぐれ悟空』に初登場のあと若返っていろいろな作品に出てくるのだが、いつも決まって変態という役どころ(しかしこの作品ではヒロイン以上に彼の珍奇な行動へ人気が集まったらしい?)。
 チョコたちに振り回されて毎回ひどい目に遭う真面目人間の砂苦刑事は、その姓にルビがふられていないため何と読むのか不明。「すなく」(スナック菓子、のもじり?)、「ざく」(有名ロボットアニメから来ている)など諸説あって真実は定かでない。字面からすると、”砂をかむように味気ない人生を送っている男”といったからかいが含まれているのだろうか? なお彼の髪型は吾妻マンガでやはり探偵ものの主人公である『エイト・ビート』のそれに似ているようである。
 第2話でもシュール(あまりにも非現実的)な内容が展開し、「このマンガではどんな理屈も常識も通用しませんよ」と、作者は警告あるいは宣言をしているかのようである。
 自動小銃がたいそう精密(どうもナチスドイツの使用したMP44らしく、空薬きょうの排出まで描き込まれている)だが、これは当時アシスタントだった沖由佳雄が軍事マニアだったためらしい。
 ある「歌」が途中に出てくるが北海道の人でも聴いたことがない場合もあるようで、この話ではカギになっているのであるが、残念ながら詳細は不明。



第3話 さあ、漬けものになりなさい

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(月刊プレイコミック 1980年8月号)
"Come and to be pickles"

Everyone suffer for intense heat, but Ms.Chocolate and Sanzoh deal with it by an amazing way. When night falls, Sanzoh goes home. In fact, he has an another profile that is beyond everyone's imagination...

 酷暑に皆が苦しむ中、チョコと三蔵はまるっきりマイペースでこれをしのぎ署の全員を巻き込む。夜となり三蔵は帰宅するが、家庭での彼は、誰も知らない全く別人の顔を持っていたのだった。

*極端な世間知らずゆえ頓珍漢な行動をする深窓の令嬢、といった印象のヒロインであるチョコレート・サンデーが活躍する為には、世知に長(た)けた誰かのサポートが必要になるのだろう。三蔵はその役割を引き受ける中年男、一言で表すならば「有能な変態」として活躍し、時には主役以上に目立っている。社会人としての実像と、家庭内での彼の様子がまるっきり結びつかずあまりにもかけ離れているので、その差が大きいのに驚かされ笑わされる。
 地味で目立たない普通の人が突然変身して活躍するというパターンは、アメリカSFマンガの古典である『スーパーマン』あたりが始祖かと思われるが、三蔵はさしずめそこに始まっている原則を踏まえつつひねった、吾妻流表現というべきか。真面目と見える人物が裏でこっそり悪事をはたらくという偽善は世間に実在する問題であるが、この三蔵の場合は世間を騒がしはするものの実害は無いであろう(たぶん……)。
 なおサブタイトルはブラウンのSF小説『さあ、気ちがいになりなさい』("Come and Go Mad")にひっかけているものと思われる。



第4話 SF獣・漬けもの獣

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(月刊プレイコミック 1980年9月号)
"A Sci-Fi beast and a pickles beast"

At a park in the evening, a vicious Peeping Tom who steals belongings from couples increases. Snaku the police detective and Ms.Chocolate starts a sting operation, but only eccentric bunch is caught in their net. Then some woman gives a scream. The criminal who appears at last is...

 夜の公園で、アベックの持ち物を盗んだりする悪質なのぞきがふえ、砂苦刑事とチョコはおとり捜査を開始する。ところが網にかかるのは珍妙なやつらばかり。そこへ女の悲鳴。ついに現れた犯罪者の正体は……。

*(以下、少しネタバレになってしまう事を書くけれど、)いいかげんな格好の宇宙人が、いいかげんな形状のUFOで飛来し、いいかげんな動機でいいかげんな犯罪をなし、それを迎え撃つチョコがこれまたいいかげんな変身をして、この上なくいいかげんな武器で立ち向かう。そして砂苦刑事は「そーかてめーSFする気だな」と罵る。もうほとんどヤケクソな冗談のようになっている(賭けてもいいがたぶんこれは早川のSFマガジンだったら掲載されないであろう)。1980年頃はSF(正確にはSF映画)の流行があり、日本国内でもSFを自称するものがいろいろな分野でやや粗製濫造(そせいらんぞう)ぎみになっていた。吾妻ひでおはそうした世相にあきれてしまい、いいかげんな宇宙人に「のぞき」というサイテーな犯罪をさせる事を通じ、どんどん落ちぶれてゆく観を呈する安物「SF」を嘆いていたのかも知れない。
 サブタイトルはシオドア・スタージョンのSF『一角獣・多角獣』になぞらえているらしい?



第5話 特別連発

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(月刊プレイコミック 1980年10月号)
"The special magazine pistol"

A searching for a runaway is left to Ms.Chocolate, and Sanzoh becomes a dog for this duty. They succeeded in following the trace of a target, but there were difficulties for solution...

 チョコは家出人の捜索をまかされ、三蔵が「犬」となって調査を開始。足取りはつかめたが解決にはなお障害が立ちはだかる。そしてチョコは……。

*いきなり全裸(おまけに尻へ葉っぱを付けている)で登場し「犬」になってみせる三蔵は変態そのもので絶句させられる。しかもそれで捜査がうまく進展してしまうのだから、もう、恐れ入りましたの一言。チョコもチョコで無茶苦茶なのだが何者も彼女にはかなわずどんな理屈も通らない(サブタイトルはそこから来ているようなのだが、犬になった三蔵を「ポチ」と呼んだり「ペス」と呼んだり一定しておらず、しかもそれで三蔵に通じてしまうのだから、この二人はどっちもどっちで、良いコンビとなっているようだ)。



第6話 水玉の昼その他の夜

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(月刊プレイコミック 1980年11月号)
"a polka-dot night and the others night"

Sanzoh has been sleeping until late in the holiday's morning, and he is woken up by his dear wife. While he takes care of the house after his wife went out, his daughter brings a boy friend with her. But Sanzoh begins triming of a garden without really greets him properly...

 休日に昼頃まで寝ていて、愛妻に起こされる三蔵。女房の外出中に留守番をしていたら、娘が家にボーイフレンドをつれてきた。三蔵はろくに挨拶もせず、庭の手入れを始めるのだが。

*……と、上記のように説明したら「ホームドラマの定番みたいな父親像ではないか」と思われるかも知れないが、どうして、全然普通ではないのがこの三蔵という男なのであった。6話目にしてもう主役のチョコより目だってしまっている(実際、この回にチョコが出てくるのはトビラの1コマだけで、話の本編には全くかかわっていない)。
 また、この物語には謎がある。妻の台詞によれば彼が現在の家屋へ引っ越してきたのが十年前(連載時の年月日が実時間と仮定すれば1970年)と分かるが、これは『ネムタくん』連載よりも前である(後で、三蔵がネムタ・イトーの二人に再会する話があるため、それによれば同一人物なのだが)。また、彼の初登場作である『きまぐれ悟空』の連載は1972年で、ここから起算してもやはり、ぼくら読者の時間とは一致しない。SFでおなじみのパラレルワールド(並行宇宙などと訳される)として理解すべきか。
 いったいこの男は、どのような人生をおくってきたのか、どのような経緯でいつからチョコと働くようになったのか、全ては謎に包まれ、読者の想像にゆだねられている。
 冒頭のコマを見ると三蔵は裸で寝ていた(眠る時でさえ黒メガネを外していない)ようなのだが、その寝ている位置には、最後のところのコマによれば彼の妻がいるはずで、定位置(?)とは逆になっているようだ。このへん、大人向けの描写がこっそり隠してあるらしい(?)。はて昨晩は何があったのやら、エネルギッシュな彼が昼頃まで眠っていたとは。



第7話 かたゆで卵をつかむ男

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(月刊プレイコミック 1980年12月号)
"The man catches a hardboiled egg"

A rough manly guy wearing sunglasses comes by a showy sports car. His name is "Hard Sur", he was transferred because he had "beaten a culprit nearly to death". This guy, seems to appears in some criminal movies, pushes forward orthodox(?) tactics at the police station Ms.Chocholate works...

 派手な車で、サングラスをかけ、荒っぽく男くさい人物がやってくる。彼の名は歯戸主売(はーどしゅーる)、「ホシを半殺しにした」ため配属転換されたのだった。犯罪もの映画に出てきそうな彼は、チョコたちの署で正攻法(?)な捜査をおしすすめるのだが。

*当時の洋画だと典型的だった刑事像が、チョコたちの奇想天外なやり方と対比され笑いものにされてしまう。トビラでチョコと三蔵がアメリカ西部劇を意識した格好をしており、また台詞に「マックイーン」の名がある(米国の映画俳優スティーブ・マックイーン、1980年11月7日肺ガンで死去)のはそのへんに関連していると思われる。サブタイトルにある「かたゆで卵」というのは「ハードボイルド」の元の意味で、ソフトな部分が無く硬派な事を言う。「はーどしゅーる」は、どうも連載当時に吾妻ファンが発行していた新聞の題名(およびその編集発行者名)からとったらしい(実物未確認)? 冒頭でちょっと見えている車は和製アニメ映画『カリオストロの城』に登場するもののようだ。チョコの裸身が奇妙な処理で隠されて「カリギュラ!」と台詞があるのは、古代ローマ帝国皇帝の伝記映画が当時作られ、それが全編やたらと裸が多くて修正のしようも無かったか、画面にしょっちゅう霧が流れているような感じでボカシが加えられたことを元ネタにしているらしい。吾妻ひでおは当時、かなり映画好きだったのかも知れない。



第8話 嘲笑うジングルベル

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(月刊プレイコミック 1981年1月号)
"sneering JINGLE BELL"

Ms.Chocholate and her companions are staking out the hotel looks like a castle on Christmas Eve. It should be an ordinary investigation about an affair, but strange fellows are caught in a net one after another. Moreover, there are another people are staking out there...

 クリスマスイブに、城のようなホテルの庭で張り込みしているチョコたち。ごく平凡な浮気調査のはずだったのだが、見つかるのはおかしな連中ばかり。その上、張り込みをしていたのはチョコたちだけではなかった……。

*「ボケ」と「ツッコミ」がセットになって笑わせるのが普通であるとすれば、吾妻ひでおはここでその定石をあえて守らず、「ボケ」が「ボケ」を呼び、どんどん滅茶苦茶になってゆくにまかせるような展開をさせている。物語があるのやら無いのやら、支離滅裂さは高まってゆく一方。「これで収拾がつくのだろうか」と、読んでいて笑うよりも心配になってくると、ついに”とどめ”の一撃となるような出来事があって幕となる。こうした種類のマンガはいまどきであれば”少しあっちの世界へいっちゃってる”ような絵柄で描かれるのではと思われるが、吾妻ひでおはごくまともな絵柄のままそれをやってのけている(そのため、絵はきちんとしているけれど内容はでたらめ、といった印象を受けてしまうかも知れない)。今の時代に読み返すと、そうした点で少し損をしているだろうか。
 (TVで見られる)画面を横切ってゆく字幕を再現してみたり、普通はつなぎ目を明確にする回想場面の挿入を何の加工もせず突然始めて突然終わらせたり、いろいろな実験も試みられている。



第9話 現場がいっぱい

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(月刊プレイコミック 1981年2月号)
"a lot of actual spots"

Ms.Chocolate meets with Snaku the police detective at a town on the New Year. He is on the special alert because pickpockets infests in a crowd. He says that "Superman Hide" the legendary skillful pickpocket seems to mingle among people. Ms.Chocholate shows her fighting spirit to arrest him, and to be involved in a crime...

 正月の街で、チョコは砂苦刑事と出会う。雑踏でスリが出るため特別警戒態勢をとっているのだった。彼が言うには幻の名人スリ”超人ヒデ”が来ているらしく、その逮捕に闘志を燃やしたチョコは事件に巻き込まれる。

*超人ヒデというのは「(吾妻)ひでお」の名前からとったものだろう。のちのち吾妻マンガの世界で常連キャラクターの一人となる実在の漫画家”いしかわじゅん”がちょっと出演している。
 この回からチョコは少し髪型を変え、左右ヘアピンの位置がだいぶ後方へ移動したようだ。



第10話 サルは地道に進化する

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(月刊プレイコミック 1981年3月号)
"Monkeys evolve steadily"

At snow-covered mountains in Hokkaido. Ms.Chocolate and Sunaku the police detective go skiing, on the other hand, Sanzoh eats snow silently. All of a sudden, the report of a gun echoes. Many monkeys gather in succession...

 北海道の雪山。チョコと砂苦刑事はスキーに興じ、三蔵は黙々と雪を食う。そこへ突然、銃声がこだまする。たくさんの猿たちが集まってきて……。

*チョコは北海道出身なのか「裏山の吾作どんが知ってるかも」などと、土地勘があるかのような発言をしている、しかし理屈でこのマンガを読んでもふりまわされてしまうだけだろうか。銃身が2本並行している猟銃は散弾を用いるのが本当かも知れない、などと気にしても、同様に虚しいであろう。『ロック冒険記』というのは手塚治虫の作品の題名。二足歩行する謎の爬虫類が出現している(初登場はどうも『るなてっく No.1(劇画アリス 1979年10月)』らしい)が、これはもしかすると80年代に関西を拠点として活動していた吾妻ひでおファンクラブである『シッポがない』の名称の由来となったキャラクターかも知れない(事実未確認)。



第11話 ハードボイルド+ネオ

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(月刊プレイコミック 1981年4月号)
"Hard boiled plus Neo"

An advertisement is posted on the wall and it says, "Choco-Derri private detective firm : new staff wanted". Too many applicants are narrowed down to 3 men. Sanzoh examines them by exercises...

 「チョコデリ探偵局 新入社員募集」のポスターが貼られ、応募者は長蛇の列をなす。どうにか三人に絞り込んだ後、三蔵は例題を出してさらなる選抜を試みるが。

*試験として出される例題には読者も各自が答えを考えるだろう。しかし三蔵によって示される模範解答(?)におそらくは誰もが全員「まいった」と感じさせられる破目になる。あたりまえな展開にしてしまう解答しか出せないようでは、こうしたマンガの登場人物はつとまらない……。
 トビラはTVの特撮人形劇『X(エックス)ボンバー』("STAR FLEET","BOMBER X")のパロディか。
 「ガロンですな」という台詞は、手塚治虫の『鉄腕アトム』にある、『アトム対魔神の巻』(『少年』1962年10月号~1963年2月号)の一場面にひっかけているようだ。



第12話 大いなるジョギング

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(月刊プレイコミック 1981年5月号)
"The great jogging"

Everybody get absorbed in jogging for their healthcare. Ms.Chocolate and Sanzoh go to a street for running, then they encounter an mysterious enemy at there and fight against it...

 猫も杓子も健康づくりと、人々がジョギングに熱中している。街へ出て走るチョコと三蔵は、そこで奇怪な敵に遭遇し、闘うことになる。

*連載当時、これといった道具も必要とせず、誰でも、どこでも可能な運動としてジョギングが流行していた。この回はそうした世相をふまえて描かれたものと思われる。ちょっと登場する女子高生たちがブルマーを着用しているあたりに時代が見える(この頃の女子学生の体育着としてはまだこれが定番だったのだ)。



第13話 カレーの報酬

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(月刊プレイコミック 1981年6月号)
"The curry pay"

Ms.Chocolate received a letter that asks her to perform as a special lecturer for a detective school. She accepts an invitation, and goes out...

 チョコの元へ手紙が届いた。探偵学校の特別講師をしてほしいという。チョコは招きに応じて出かけるが。

*この回からチョコは明確に髪型を変更している。それまでセミロングでヘアピンを左右につけていたのが、いわゆるツインテール(髪を左右で束ねて房にし、うなじを見せる髪型)となり、そのせいか印象がやや幼くなったようだ。また、初登場以来おっとりした表情が多かったが、この頃から、眉をつり上げ怒って見せるようになる。今回は片腕である三蔵がこれといった事は何もしておらず、チョコは主人公としての立場を取り戻している。
 「あなたの心です」という台詞は、アニメ映画「ルパン三世 カリオストロの城」からの引用か。結末のほうになって、「ふたりと5人」の登場人物である「哲学的先輩」なのではないか? とおぼしき人がちょっとだけ出演。
 警官たちは回転式弾倉の拳銃を使用しているが、これは英国で第二次大戦の頃に使っていたエンフィールドという軍用拳銃のようで、日本の警察がこれを正式採用した事実はたぶん無い。別に吾妻ひでお自身による指定ではなかろうと思われるものの、無国籍なムードを演出するのに一役買っている(?)。



第14話 たとえば、ジェットローラー

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(月刊プレイコミック 1981年7月号)
"For example, a jet-roller"

Infant boy and girl are playing naively at a sandpit. Then a mysterious man who is in black and put on a skull mask, emerges and takes the girl away. On that night, a boy whose name Kobayashi comes to a residence of Dr.Nomura, and reads a threatening letter from "The skull mask"...

 幼い少年と少女が無邪気に砂場で遊んでいる。そこへドクロの仮面をつけた黒い怪人が空中に現れ、少女をさらってゆく。夜、野村博士の邸宅へやってきた小林少年は、”どくろ仮面”の脅迫状を読み……。

*トビラから数えて5ページ目にやっと、劇的な演出でチョコが登場するので、そこにたどり着くまで「こりゃ一体何のマンガだろう?」と不思議に思わされる。無茶苦茶に話が展開するため、ついていけなくなった野村博士が”堀江卓”のマンガを読み始めるが、この回は昔日の少年マンガのパロディになっているらしい(連載当時に30歳前後だった読者、すなわち吾妻ひでおと同世代の人たちにはすぐ分かったのだろうと思われる)。極端に芝居がかって現実離れした演出や設定は、昭和30年代の少年マンガでは定石だったらしく、ここでは物語がどうのというより、それらの特徴を懐古する内容になっているようだ。
 堀江卓は月刊少年マンガ雑誌で主に活躍し、『矢車剣之助』、『ガンキング』、『ハンマーキッド』、『少年ハリケーン』、『赤い風車』、『忍者シデン』、『天馬天兵』、『少年ハリマオ』(これには旧日本軍の技術将校である野村大尉という人が熱線銃を発明するエピソードがあるらしい)など多くの著作がある。



第15話 ライナメ嫌い

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(月刊プレイコミック 1981年8月号)
"dislikes Li-namek"

Ms.Chocolate and Sunaku the police detective accepted Sanzoh's invitation, and go to a mountain villa which is built beside a lake. Sunak felt a premonition, and it goes to prove right when something suspicious emerges...

 三蔵の招待で、湖のほとりにある山荘へ行くチョコと砂苦刑事。
「なんか暗いな 変なもの出るんじゃないんだろうね」
と砂苦が心配したら、本当に変なものが出現して……。

*人けの無い静かな山荘を舞台に事件が発生するというのは推理物の定番を感じさせるが、その後の展開もいわゆるパターンをパロディにしたようなくだりがある。「ネス湖の怪獣・ネッシー」というのはかなり昔から伝えられている謎だが、日本では1973年に石原慎太郎(現東京都知事)の指揮下で捕獲が本気で計画され、結局中止になったと記憶する(この件の正確な記録・情報は今手元に無い)。
 三蔵の一族はかなり金持ちであるらしく、山荘を経営しているうえ、客の送迎に使用している自動車が20世紀初頭のものと思われる骨董品だったりしている。謎めいているのは怪獣よりも三蔵の家系というべきか?



第16話 殺意のプール

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(月刊プレイコミック 1981年9月号)
"a pool with murderous intent"

Ms.Chocolate and Sanzoh swim at a pool in a hotel. Then, a corpse surfaces at there. Victims appear one after another...

 ホテルのプールで泳ぐチョコと三蔵。と、そこに死体が浮かび上がる。さらに犠牲者は続出し……。

*トビラには、首吊りに失敗したような作者の自画像がこっそり混ぜて描かれており、ちょっとブラックな始まりとなっている。三蔵は赤フン(?)で登場し、相変わらずの変態路線まっしぐら。恐怖も不可能も無いチョコたち二人組ではある。



第17話 死んだ馬が死んでいる

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(月刊プレイコミック 1981年10月号)
"A dead horse is dead"

"The dead horse murder", a modus operandi that throw a dead horse suddenly at a victim break out serially. As soon as Ms.Chocolate has established her office out of the police station, the murder case breaks out at there, too...

 いきなり死んだ馬をなげつけて殺す”死んだ馬殺人”が連続して起きる。チョコたちは警察署を出て新事務所を開設したばかりだったが、事件はそこへも波及してきて……。

*桜肉という名称で馬肉の料理は本当に作られているが、あまり一般的ではないだろうと思われる。話になぜか埼玉と千葉がからんでくるのはおそらく、「ださいたま」(野暮ったいという意味の”ださい”と埼玉県を合成している)および「金県千葉」(”金権”政治と千葉県を合成している)という流行語が当時あったためだろう。
 それにしても、死んだ馬を投げつけて殺人をするなどという話は、今日から旅に出て世界中探し回ってもたぶん、このマンガだけではないだろうか?



第18話 空白のパターン

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(月刊プレイコミック 1981年11月号)
"A blank pattern"

While Sunaku the police detective is bored, he has suddenly a succession of incidents at the police station. He calls absent-mindedly on Ms.Chocolate and looks she has been writing for a prize novel...

 砂苦刑事が退屈していると、いきなり署内で事件が続発する。茫然自失の彼がチョコのもとを訪ねてみたら、彼女は乱歩賞をねらって小説の執筆中だったのだが。

*「書いてる小説と現実の事件が同時進行しているというよくあるパターン」と、チョコ自身が説明している。チョコの書く支離滅裂な物語が次々と現実に起きてしまい、砂苦刑事はさんざん振り回されるのだが、そこには日本のエンタテインメントで典型的なエピソードがいろいろ使われている。そしておそらく誰もが知っている、極めて有名なテレビドラマの主役(あえてそれが誰であるか明言していないけれど一目で分かる)が登場し、なおかつその人物こそが”犯人”なのだと断罪される。「特訓」のところでちょっと描かれている三蔵の奇妙な格好も、有名なスポーツ根性ドラマに出てきたそれのパロディである(連載当時の読者には通じたはずだ)。
 正面切って批判はしていないから気づきにくいが、”とどのつまり日本でメジャーな物語とは、マンネリズムに安心する観客の心理を利用しているだけではないだろうか”といった、風刺あるいは嘆きであろうか。そしてそれはSF(と世間一般で称されているもの)にしても同様で、”SFは死んでしまった”という暗示がギャグに偽装してつづられているようだ。



第19話 セーラー服・キラー

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(月刊プレイコミック 1981年12月号)
"A schoolgirl uniform killer"

Sanzoh receives a call and says on the telephone, "My favorite dress is pink one, and you ?". That is from Ms.Chocolate. She is going to have a date today, so that Sanzoh takes care of the office. Not long afterward, it seems a lunch break, Sanzoh goes out alone...

 かかってきた電話に三蔵が出て「あたしの好きなドレスはピンクよーあなたはー?」と答える。相手はチョコで、今日はデートのため、三蔵が留守番することになった。昼休みなのか、三蔵は一人外出するのだが。

*ふたたび三蔵が主役になる回である。デートで事務所を留守にしてしまって経営は大丈夫なのか気になるところだが、まったく動じない三蔵を見ると、別に珍しいことではないのかも知れない。彼が路上で耳にしているのはフォークソングの神様と呼ばれた岡林信康による『ガイコツの唄』らしい(極めて風刺の強い内容の歌であるが、この物語と直接の関係は無い?)。特筆すべきはネムタとイトーに路上で偶然再会している事で、『ネムタくん』は1979年まで連載していたので、読者の実時間と劇中の時間が一致してはいないと分かる。はて彼らの友情の結末は(このへん、少年マンガの読者との間にある断層を暗示しているかにも見える)。邦画『セーラー服と機関銃』をヒントにしたかと思われるくだりがある(ただし映画の公開は1981年12月19日らしく、このマンガはそれより早く発表されている)が、とにもかくにも、三蔵は無敵なのであった。そしてチョコの留守中に何があったかを、彼はとんでもない技(?)を使い一発で説明報告する……。



第20話 終りなきエンターティナー

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(月刊プレイコミック 1982年1月号)
"The endless entertainer"

Ms.Chocolate and Sanzoh guard a popular entertainer. They made light of fans that their enemy, but it was an underestimate...

 売れっ子芸能人のボディガードをするチョコと三蔵。敵であるファンたちはたかが小娘の集団と思いきや、これが予想外に大変で……。

*なぜか忍者をからめた話になっている。1980年代、芸能界とテレビの歌番組とは今よりも一般的な人気と支持があったのだが、流行は同時に粗製濫造をも引き起こしたか、歌手の歌唱力の低下が1970年代後半あたりには視聴者の側からさえ指摘されるようになってきた。結果として、歌手はとにかく”若さ”をセールスポイントとするばかりになってゆき、芸を磨く間もなく次々と使い捨てにされるような傾向も出てきたようだ。作者の吾妻ひでおは歌謡曲がわりと好きだったようで(これは1970年代初頭の作品によく現れている)、そうした芸事の世界が変質してきたことを嘆き、命を使い捨てにされる忍者たちの非情な世界になぞらえて風刺していたのかも知れない(ちなみに忍者は1960年代に娯楽でもてはやされた題材だが、これまた年月とともに廃(すた)れ、忘れ去られていったようである)。



第21話 生首帝国

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(月刊プレイコミック 1982年2月号)
"The freshly-severed head empire"

Ms.Chocolate pays a visit to a Shinto shrine in new year. She picks a written oracle, and it foretells to her a very unlucky fate. She takes heart and goes her office, but she finds a new detective agency at just next door of her office.

 神社へお参りするチョコ。おみくじを引いてみると、”大凶よりもっと不吉”という結果が出る。気を取り直し、仕事始めにと事務所へ行ってみたら、なんと隣に探偵事務所が開設されていた。

*商売敵の女探偵、”ハニー・甘納豆”が登場する。彼女の助手は普通の犬で、一見まともなのだが、性格や好みはチョコといい勝負。よって話はますますややこしくなるのであった。トビラに描かれている生首は、三蔵、アーさん(作者自画像)、そして当時のアシスタント(みぞろぎ・こう、沖由佳雄の両氏)らしいのだが、沖由佳雄はなぜかいつもの似顔絵(本編の2ページ目に登場)とはちょっと違うふうに描かれている。



第22話 チョコデリ人形に五寸くぎを

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(月刊プレイコミック 1982年3月号)
"A cursed nail for a Choco-Derri doll"

The office is open, but there's no business. Ms.Chocolate visits Ms.Honey at her next door for kill time. Then Honey is in full swing of a curse ceremony...

 開店休業状態でヒマをもてあましたチョコは、隣のハニーをたずねる。すると彼女はわら人形に釘を打つ儀式の真っ最中で……。

*今回は呪術がテーマ(?)になっている。劇中に出てくる「バラのつぼみ」という言葉は、映画『市民ケーン』(Citizen Kane)で用いられているそれのもじりか。仕事ほしさに自分たちで事件を起こすというマッチポンプ(自分で放火し、自分で消火する)な方法へと暴走するチョコとハニーを待ち受ける運命の結末は。今回、チョコのふくらはぎにレッグウォーマーらしいものが見える。もともとバレエダンサーなどが練習時に着用する保温用衣類の一種だったが、この頃にはファッションとして普及していたと記憶する。



第23話 雪山にて

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(月刊プレイコミック 1982年4月号)
"at snow-covered mountains"

Ms.Chocolate and her fellows go on a ski tour, and take part in a game of treasure hunting. Ms.Chocolate competes with Ms.Honey for finds many treasures than her. But they find an unexpected object...

 チョコたち一行はスキーツアーに行き、イベントとしての宝探しに参加する。どちらが先に多くの宝を発見するかでチョコとハニーは争うが、予想外のものを発見し……。

*御馴染みの似顔絵キャラクターたちに混じって、SF作家である新井素子の似顔絵らしい人物がちょい役で出演している。



第24話 おてんばたんてい捕物帳

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(月刊プレイコミック 1982年5月号)
"a tomboyish detective's notes"

In the Edo period, Japan. Drowned bodies were found. "Choco-Derri" the detective girl and her follower, Sanzoh, hasten to the spot. Sunaku the police detective judges this is mere suicide, but Ms.Choco suspects that this is a crime...

 江戸時代。どざえもん(水死体)が発見され、十手持ちである”でりんじゃーのちょこ”は子分の三蔵と共に現場へ駆けつける。同心である砂苦は「ただの心中」と落ち着いているが、ちょこはこれを犯罪と判断し……。

*なぜか突然、時代劇である。チョコは日本髪に和服姿、砂苦もちょんまげなので、シリーズの中で読まないと彼らが同一人物であるとは分からないだろう。テレビ時代劇の定番のような悪役たちが登場し、そのいきさつなんぞはどうでも良い事だと言わんばかりにすっとばしているのは、マンネリズムへの風刺だろうか。
 女性が主役で岡引(おかっぴき)という設定のテレビドラマは1967年『おせん捕物帳』(主演:重山規子)などが実在するが、これはヒロインの衣装デザインが独特なので(感覚としては『水戸黄門』で由美かおる扮する女忍者に近い?)特にパロディの元ネタになってはいないだろうと思われる。劇中で”大川端”とあるが、”大川”は東京都に流れる隅田川を指す呼び名として江戸時代から用いられていたようだ。



第25話 ネリマク・フューチャー

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(月刊プレイコミック 1982年6月号)
"Nerima-ku future"

In the year of 20**, at a megalopolis Tokyo Nerima-ku. Ms.Chocolate and Ms.Honey are bored of this peaceful world. Robots are bullied as human beings please, therefore Ms.Chocolate predicts, "I wonder that a few murder cases will happen at once if they robots go against humans ?". Ms.Honey answers to this...

 20××年 メガロポリス トーキョーネリマク。チョコとハニーは平和な世の中に退屈していた。ちまたではロボットたちが人間にいじめられっぱなしで、「彼らが人間に逆らえば血なまぐさい殺人のひとつやふたつすぐ起こるんじゃないかしら」とチョコは予測する。これに対してハニーは……。

*トビラに細かいUFO(?)などが描かれ、これは、と期待させられるものの、どっこい普通なSFにはなってくれないのであった。作中にある「あんけらそ」というのはどうも落語に出てくる言葉のようで、意味や由来は不明だが、人を罵(ののし)る際に使われるらしい。また大阪弁ではこれをひねった「そんけら」という言葉があるようだ。手塚治虫の『鉄腕アトム』は三蔵が第8話でその仮装(?)をしていたが、ここにもパロディらしきものがちょっと描かれている。



第26話 いつものように大団円

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(月刊プレイコミック 1982年7月号)
"a happy end as usual"

Sunaku the police detective goes to Salamanda police station. He meets with Ms.Chocolate and Sanzoh at there, and becomes aware of that today is a birthday of Ms.Chocolate. But to his surprise, the police station is used for the place of her birthday party. Not long afterward, guests come in succession, but all they are criminals who appeared up to now...

 砂苦刑事は皿漫田警察署へやって来た。するとそこにはチョコと三蔵が来ており、今日は彼女の誕生日とわかる。が、こともあろうに警察署が、そのバースデーパーティー会場に使われていた。やがてお祝いに次々と客があらわれるものの、その顔ぶれはこれまでに登場した犯罪者たちばかりで……。

*これが最終回。三蔵の妻も出演しているが「もしかしたら私はこの漫画に合ってないキャラクターなのかしら」と悩んで涙ぐむ。しかり、礼儀正しくマトモな人が、この作品においては”異物”にされてしまうのだ。それはいわば僕らが生きているこの現実社会(時にそれはひどく決まりごとの多い、がんじがらめな空間でもある)と、ちょうど裏返しになった自由が、無秩序に近いとはいえこの”不条理”な物語世界にはあることを意味する。そうした、さかさまの世界を描いてきたことについて、作者は何の弁明も解説もしていない。むしろ逆に(この最終回にも作者の自画像キャラクターが出演しているのだが)「考えてない」と述べている。この台詞を真に受けるなら、これはいいかげんで出鱈目な漫画でしたという自白になるだろう。が、ウソだと思う。吾妻ひでおは、自画像キャラクターを使って、なんの計算も無しに創作しているかのようなフリをする男なのだ……というのが僕の"推理"。
 (だって、あなたはコメディアンが「馬鹿」を演じているのを観て、それが現実だと信じますか?)



実写映画版『チョコレート・デリンジャー』

 公式サイトで発表された『ずるずるひでお絵日記』によれば、2011年6月某日、作者は監督の杉作J太郎らと会っており、実写映画版『チョコレート・デリンジャー』について、今後の話を聞いているようだ。
 その詳しい内容は不明なのだが、かつて「男の墓場プロダクション」公式サイトにおいて公開された、映画撮影中の写真が何枚か存在する。ここでは、それらをお借りして、映画の内容を推理(?)しつつ、完成と公開を楽しみに待たせて戴こうかと思う。



 ヘアスタイルと服装からして、原作第1話『甘い妙薬』らしい? とすると画面下に写っているのは、砂苦刑事の頭だろうか?)



 刀とかは見えないが、忍者の装束だろう。してみると第2話『こっこのショック』?



 これはまず間違いなく第4話『SF獣・漬けもの獣』、うるうる星人らとの対決場面だろう。



 ヘアスタイルと服装からみて、第13話『カレーの報酬』であるらしい。 



 はたして実写版チョコレート・デリンジャーで、主人公たちの活躍はいかに!?




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