ポロンの太陽
"The Polon's sun"
A long, long time ago, in Greece...Polon, an only daughter of the solar god Apolon, is worried about what goddess she should to be when she grown up. She comes across Eros, the god of love, tells an irresponsible lie that she can move the sun. Therefore Polon canters a solar carriage high in the air without Apolon's permission...
(Probabbly this is by far the most famous series in the author's works. It is needless to say that this series is an adaptation of Greek and Roman Mythology.)
(プリンセス 1977年10月号)
むかしむかしギリシア……太陽神アポロンの一人娘ポロンは、大人になったら何の女神になろうか悩んでいる。愛の神エロースと出会い、自分は「太陽を動かすことだってできる」と言ってしまったポロンは、アポロン神にことわりなく太陽の二輪車で空へかけのぼってしまい……。
*最も知名度の高い吾妻マンガかも知れない。なにしろTVアニメ化(1982年5月8日~1983年3月26日)されており、アニメ版はイタリアなど海外でも放送されたらしい(ちなみに、その後『ななこSOS』(1983年4月2日~1984年1月14日)が続いている)。"Azuma Hideo"と共に以下の題名を合わせて検索すると、外国のデータが発見できるだろうと思う。
イタリア:C'era una volta Pollon (Pollon Combina Guai)
フランス:La petite olympe et les dieux
スペイン:La Pequena Polon
しかし『失踪日記』では『オリンポスのポロン』について全くふれられていないようだ。
入手困難ではないはずだけれど、当サイトでも取り上げてみようと思う。僕が現在所持しているのは秋田書店プリンセスコミック版(1979)と早川書房ハヤカワコミック文庫版(2005)の2種で、これら両方をテキストに用いることにする。前者の第2巻には『失踪日記』で言及(p.140-1)のある『ノヴァ』と『にゃんにゃこクキちゃん』が収録されており、後者の第2巻には”100てんコミック”で連載された『おちゃめ神物語 コロコロポロン』などが収録され、書籍としては内容が少し異なるから。
画像はプリンセスコミック版の第1巻表紙。
こちらは、月刊OUT1982年6月号。 表紙に「やったね!吾妻マンガ初のアニメ化! コロコロポロン」の文言。フルカラーの4ページでアニメ版の画像などを紹介している。
なお、この雑誌に掲載されているキングレコードの広告をみると、この時に吾妻作品のレコードが以下の2種、発売されていた事が分かる。
・おちゃ女神物語 コロコロポロン(オリンポスのポロン/気分は女神チック (歌)原良枝 K06S-3028 定価600円)
・ななこSOS(ななこSOS/愛のロリータ (歌)山本まさゆき/原良枝 K06S-3036 定価600円)
アニメ放送当時には、プリンセス・コミックスにコシオビが付いた状態で発売されていたようだ(下の画像)。「テレビアニメ化 フジTV系放映中 毎週土曜日 午後6時~6時30分」の文言がある。
このコシオビの裏表紙側には「吾妻ひでお全著作」として、秋田書店から発売されていた諸作品のリストが載っている。しかし成人向けマンガの「やけくそ天使」までが一緒に紹介されているのは……。「プリンセス」って女児向けマンガ月刊誌でしょうに!?