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99 (展覧会など) exhibitions



 このページではまず、2011年に米沢嘉博記念図書館にて催された『吾妻ひでおマニアックス : 吾妻ひでおのシュールな世界』(同年2月4日~3月7日)、および明治大学博物館にて行われた『吾妻ひでお美少女実験室』(同年4月23日~5月23日)の会場の様子から、ごく一部ではありますが、お伝え致したいと存じます。
(画像は、会場において入手できたリーフレットの表と裏で、サイズはA3。) 



 (ここに掲載した画像は、図書館のかたへ事情をご説明申し上げ、お許しを賜ったうえで撮影および公開をさせて頂いております。)

 米沢嘉博記念図書館はむろん、そもそもにおいて、米沢氏の功績の全体を保存・管理するための施設であり、べつに「吾妻ひでお博物館」たることを趣旨としているわけではないでしょう。しかし米沢氏は、吾妻ファンの1人としても長い間、多岐にわたる活躍をされたかたであり、その恩恵のひとつとして結実したのが今回の展示であると申せましょう。
 米沢嘉博氏について述べるには、単独別個に、膨大な内容を持つウェブサイトを立ち上げねばおよそ不可能であり、とてもここでは詳しく記すことができません、なにとぞお許し下さい。
 なお、米沢嘉博記念図書館には公式サイトが存在します。



 1階展示室、壁面に設けられたショウケース。代表的な吾妻マンガ作品の生原稿と共に、希少な書籍や資料が展示されています。



 会場にはモニタが設置され、映像作品がループ再生されているのを観ることができます。今回上映されていたのは、

吾妻総進撃
うまのひでお(後述)
不思議な木の実(後述)
吾妻ひでおCD-ROM WORLD

の4作品。



 壁面には、『不条理日記 しっぷーどとー篇』の生原稿と、各コマにあるSFパロディの元ネタの解析が示されています。



 ショウケースを見てみましょう。上の画像、ほぼ中央に写っている2つの正方形のものは、同人ソフト「ディスク絵本 はあど・しゅ~るSOFT うまのひでお」と、やはり同人ソフトである「ディスク絵本II はあど・しゅ~るSOFT 不思議な木の実」。NECのパソコン、PC-9801 で動作するもののようで、媒体は5インチのフロッピーでしょうか。コミックマーケット開催に合わせて、それぞれ、1990年8月と同年12月に製作されたようです。およその再生時間は前者が3分13秒、後者が3分55秒。前者は吾妻家にあった鉛筆画を「はあど・しゅ~る新聞社」のメンバーがパソコンに取り込んで彩色し、いっぽう後者は最初から吾妻ひでお先生の原稿に色がついていたのだそうです。これらソフトの映像は部分的にアニメーションする楽しいものですが、当時のパソコンの演算処理能力は現在から見れば絶望的に低く原始的であり、そうした条件下でのソフトウェア製作にはけだし、さまざまな苦労があったことでしょう。



吾妻ひでおの よいこの童話 うまのひでお

「うまのひでおは うまのくせに
はしったり 草をたべたりもせず
いつもみんなから はなれて
本を読んでいた」

「馬なんて 発展性がない こんな人生いやだ」
 そこで彼は……。
 『ふたりと5人』の終盤でも酷似した馬が登場していますけれど、同一キャラクターでありましょうか?

吾妻ひでおの よいこの童話II 不思議な木の実

「その森には不思議な実のなる木があって
その木の実を食べると人間も動物も
皆小さな魚にかわってしまうのだと
おじいさんが言っていました」
 こちらは少女が主人公で、森をさまよううちに、いろいろな生き物たちと会話するという展開。
(このソフトに用いられた画像の原画は、書籍『狂想曲 美少女コレクション 1969-2013』に収録されている。また、後日「吾妻ひでお原画展」でその生原稿を見る事が出来たのだが、ペン入れはされておらず、鉛筆画へ水彩で(?)着色されたもののようだ。)





 これは『ガス屋のガス公』生原稿。トビラ部分ですが、未発表のバージョンなのだそうです。



 こちらはマンガではなく立体物、それだけでも大変珍しいのに、驚くべきはその殆ど全てがSF「メカ」(?)なのでした。架空の「生物」ならばまだしも、吾妻ひでお作品で機械が生まれているというのは意外です。生物とも機械とも判然としないものもあるのですが、はっきり題名に「ロボット」と書かれた作品や「タイムマシン」が飾られています。
 展示されていた作品の題名は以下の通り。

・ブラックホールト
・時空機関車
・掃除ロボット
・カタツムリの鍵
・土グモ
・探査ロボット
・無人タイムマシン
・耕作ロボット



 英会話教材の『LET'S GO WITH HASTY』シリーズ1~6巻。吾妻ファンで英語を習得したいと切望している人は、
「ああ、これさえ再販してくれれば!」
と希(こいねが)っているのではないでしょうか?



 表紙イラストを描いた書籍の数々。吾妻マンガ作品、というわけではないせいもあり、これらの全てを所持している吾妻ファンは多くはないかも。



 同人誌『東京おとなクラブ』、表紙の装丁までなんとも謎めいています、一体、中には何が書いてあるのやら?



 おちゃめ神物語コロコロポロン』に『ななこSOSのアフレコ台本。そして『シャン・キャット』アニメ化企画書。後ろには「アズマ虫」や『ぐるぐるメダマン』の人形、キャラクター商品が。



 吾妻ひでおデビュー作となった、週刊少年サンデーの欄外マンガ。まとまったページ数でのデビュー作となった『リングサイドクレイジー』が掲載された『プロレスなんでも百科』まで展示されています、びっくり。



 板井れんたろう先生のもとでのアシスタント時代の資料。(吾妻ひでおによって)背景に描き込まれた人物の拡大。恩師の描く吾妻ひでお似顔絵キャラクター(後に自画像のひとつになる「アーさん」とはかなり顔が違っていて、とんでもなく珍しい画像だと思う)。



 展示室中央のガラスケースの中には、架空の本(だったはずなのに、本当になってしまった)ベーホの「ふるむまかをめら」。



 そしてそれが登場した『不条理日記 SF大会篇』の生原稿と、やはり架空の本だったはずのクルムヘトロジャンによる「へろ」……。いったいどんなSF小説なんでしょう?



 受付のデスクには「のた魚」ぬいぐるみが鎮座。図書館スタッフのお嬢さんがお作りになられたそうで、これはまた、実に良く出来ていますね、うーん。

(以上、2011年2月28日撮影)



 会場の受付においては会期中、オリジナルの絵葉書を無料でいただけたようです(以下、撮影は2011年3月27日)。
 全部で5種類(?)あるらしく、ここでちょっとそれらの絵柄を見てみましょう。



 これは単行本『どーでもいんなーすぺーす』(大都社)のカバーに用いられた絵ですね。会場では『惑星間スカウター』の最終ページの生原稿が展示されていたのですけれど、見ると下半分に切り貼りした跡があって、初出と単行本収録版とではオチが推敲されていて異なる、という事が確認できるようです。



 こちらは『ななこSOS』、EPレコード(TVアニメ化される前に発売されたもの)で登場した3頭身の肖像が、オブジェを背景とし合成されています。後日談のスナップ集、といった感じ(?)で構成されている1枚もユニーク。TVアニメ版とはまた違う、静かで落ち着いた雰囲気の絵に思えます。



 そしてこれは、『海から来た機械』でありましょう。機械、とは言いながら直線と平面をあまり持たず、生物を思わせるような曲面が多いその不思議な形状は独特。上、黄緑色のものは「耕作ロボット」、下の黒いのが「ブラックホールト」と命名された物であるらしい。
(*これらの絵葉書はどうやら、米沢嘉博記念図書館によるtwitterでの発表(2011年5月16日)からすると、「吾妻先生よりいらしてくださったみなさまにということでお預かりしていた」もののようです。)

 会場ではいろいろな原画や書籍などが展示されており、僕としては、直接来訪できない吾妻ファンの為に写真報告をすべく、ここに記録を残したかったのですが、米沢嘉博記念図書館の受付のかたもそれぞれの物品の著作権をどう判断すれば良いやら(展示物の著作権が図書館に帰属するわけではないために)戸惑っておられるご様子でした。で、僕もずいぶん悩んだのですけれど、今回以降は撮影をせず、またここにこれ以上の画像を追加するのはひとまず自粛することに致しました。なにとぞご了承下さい。ご協力くださいました米沢嘉博記念図書館の皆様、本当にどうもありがとうございました。



 さて、ここからは、明治大学博物館にて開催された(2011年4月23日~5月23日)、「吾妻ひでお美少女実験室」についての記録です。

 こちらは展示物の作者が複数存在し、その著作権は非常に複雑となるため、撮影許可の申請をはなっから断念しました。そこでとりあえず、会場入口やその周囲の光景のみを撮影し、ここに公開させて戴いてみる次第です。

 なお、この展覧会についての公式ムービーがYouTubeで公開されており、会場内の様子はそれによってうかがい知る事が可能になっています。会場へ赴くのが難しかったファンにとってこれは本当にありがたいことでしょう。



 通りから建物へと向かい、その左手にあるオブジェを見上げると……。



 そこには大きな垂れ幕が。



 会場の特別展示室は地下1階にあり、



 入口には看板。そして受付では「のた魚」も出迎えてくれるのでした。



 入って奥、右側へ進むと、展示が始まっていたのです。

吾妻ひでお  作画の過程

 これは2011年4月9日に吾妻ひでおの仕事場で撮影された記録映画で、1枚のイラストレーション(『ななこSOS』)が白紙の段階から、下絵、ペン入れ、カケアミ、ベタ、加筆、ホワイト修正と進んで完成に至るまでをとらえたもの(上映時間:約15分)。

*観ていて僕が気づいたのは、ホワイト修正が昔ながらのポスターカラーによるらしいのに対して、ベタはもはや墨汁ではなく筆ペンが使われていたこと。大きなスケッチブックを下敷きに用いるやり方は1970年代末の無気力プロ当時と変わっていない様子(沖さんも僕も、先生のこのやり方をそっくりそのまま真似て実行していました)。あの頃インクはパイロットの製図用を使っておられたような気がするのですが、この映画ではインクのラベルが見えず、同じなのかどうか分かりませんでした。とにかくタバコが無いと進まないのは相変わらずだったりして。 
 さらに「相変わらずであるらしい」と僕が驚いたのは、仕事場の写真を見ると、先生が椅子の上にあぐらをかいて(!?)座っておられる様子だったことで、無気力プロでも先生の座り方が一種独特だったものだから、あの姿勢で疲れてしまわないのだろうかと、後ろから見ていて心配になってきたのを思い出しました……。

ごあいさつ

 パネルには、
「国際的に日本の現代文化の目立った一角を占めるようになった<美少女>の絵柄の、発達過程の一断面を描きます」
とあって、この展覧会の趣旨が説明されていました。展示物の解説文は森川嘉一郎氏(明治大学国際日本学部)によるもので、このあと、吾妻ひでお作品の生原稿とともに、さまざまな作者によるさまざまな作品が論拠として示され、研究発表がなされているのでした。

吾妻ひでおによる美少女表現の実験

「四半世紀をまたいで現在の秋葉原を覆う絵柄にも引き継がれているモチーフを六つ抽出しました」
として、以下の順でその分析が展示されていました。また、各項目について吾妻ひでお本人から聞きだしたコメントが最初にあり、これも貴重でしょう。

(1) 美少女のロボット化

吾妻「無意識から出てきたもの。やっぱり『アトム』のウランちゃんの印象が大きいかな」

(2) 美少女の増殖

吾妻「『アトム』のウランちゃんが半分に割れちゃう話が、すごく印象に残ってる。断面からブクブクと泡が出てきて、二人になっちゃう」

(3) 美少女にネコやウサギの耳

吾妻「手塚治虫の流れですね、動物の擬人化って。源流はそこだと思うんです」

(4) 美少女と変な生き物

吾妻「アメリカの古いパルプ雑誌の定番だったんです。金髪の美女が怪物に襲われるというのは」

(5) 美少女のアイドル化

吾妻「アイドルにはまっていたから、コンセプトはアイドル雑誌を参考にしてる。水着があったり、私生活があったり」

(6) 美少女とSF/ファンタジーの世界

吾妻「昔のアメリカのSF雑誌の表紙をいっぱい見てた。女性の宇宙服はだいたいビキニ」

吾妻ひでおへのトリビュート

*これは『KAWADE夢ムック 総特集 吾妻ひでお』で使用された原稿(『愛のネリマ・サルマタケ・ゾーン』)のほか、著名人から寄せられた原稿とそれら似顔絵のもとになった、吾妻作品の生原稿とが並べて展示されているのでした。

吾妻ひでおと<美少女のマンガ>

*これは、
「[[[美少女を対象化するマンガ]の読者を対象化するマンガ]の読者……]という入れ子状の迷宮」
を成す作品として、以下の短編の生原稿が展示されていました。

ぬいぐるみ
やさしい罠
・泣き虫ルイちゃん (プリティギャルズ・シリーズ)
ぶらっとバニー 「フィルムは生きている」
どーでもいんなーすぺーす 「少女と犬と猫とブタと馬と牛と…」

*展示は以上で終わっていたのですけれど、出入口の手前にはテーブルとイスがあり、ノートが用意されていました。貼紙を読むとこれは、
「吾妻先生へのメッセージなど ご自由に書いてね」
という事だったようです。
 で……。
 ちょっと読ませてもらいました。すると、札幌から、熊本から、栃木から、盛岡から、大阪府から、匝 瑳高校(千葉県)からと、実にあちこちのファンが来場していたのです。年齢もさまざまで、
「中3の息子と2人できました」
「小生、70代になりましたが」
「小学校の時はじめて自分のおこづかいで買ったマンガがポロンでした」
等、いろいろな言葉があって、びっくり。

 実に楽しく、素晴らしい展覧会でした。明治大学博物館の皆様、また会場入口にお名前のあった方々のご協力やご尽力に心から感謝しつつ、僕は会場を後にしたのであります。



吾妻ひでお原画展

 2013年11月21日~25日、東京の西武池袋本店 別館2階「西武ギャラリー」において、『デビュー45周年記念 吾妻ひでお原画展』が開催された。
(この項目の作文と写真については、「トラフィックプロモーション」および「西武」へ、可否をおたずねしてみました。2013年12月現在、お叱りを頂いてはおりませんゆえ、感謝しつつ、そのまま公開させて頂いております。)

主催:トラフィックプロモーション
共催:リブロ
協力:河出書房新社
監修:吾妻ひでお

入場料
 一般:700円
 大学生・高校生:500円
 中学生:300円


(画像は、そのチケットの半券)

 11月21日、22日、25日の3日間には、入場者先着100名(総計300名)に、日替りで「オリジナルポストカード(非売品)」がプレゼントされたようだ。

 また、11月23日(土、祝日)には吾妻ひでおサイン会が開催され、事前申込で当選した100名に限り、参加できた。

 会場内には物販コーナーも設けられ、版画、オリジナルグッズ、単行本などが販売された(後述)。


(画像は、会場への案内)

 また、同時にLIBRO池袋本店の4階コミックフロアでは、「吾妻ひでお原画展 サテライト」と銘打って、『失踪日記2 アル中病棟』の「イントロダクション」から、原画11枚が展示されていた。

 さて……。

 会場へ入るとまず、吾妻ひでおによる「ごあいさつ」が掲示されていた。

「皆様
本日は私の原画展にお越しくださり、ありがとうございます。(中略)思い立って60歳過ぎてからデッサン教室に通いだすも、遅い! 「かおるちゃん遅くなってごめんね」てくらい遅い! そういうことで、私に何も期待しないでください。よろしく。」

 ここで「かおるちゃん」云々とあるのは、美樹克彦が1967年に歌った曲「花はおそかった」からの引用であるらしい。若い入場者にはこれ、何の事やら全然わからないだろうと思うのだが、のっけからいきなり、こんな発言をかましている……。


(画像は、会場となった西武ギャラリーの外観)

 吾妻ひでおの略歴として「1989年、1992年に2度の失踪」をしたこと、「第43回星雲賞ノンフィクション部門」で「文藝別冊 総特集 吾妻ひでお」が受賞したことなどが説明されていた。

 次に、著名人から寄せられた色紙の展示がある(以下、順路に従い、右から左、上から下に、色紙が飾られていた各氏のご芳名を記す)。

 松尾スズキ、新井素子、喜屋武ちあき、うしじまいい肉、山本直樹、中川いさみ、高橋葉介、西原理恵子、諸星大二郎、アシスタントA、とり・みき、吉田戦車、アシスタントB、東浩紀&東汐音、菊地成孔、青山裕企。

 これらのうち、アシスタントA(吾妻夫人)の色紙には、毛筆で「忍耐」と一言書かかれているのみで、絵は無かった……。
 またアシスタントB(御息女)の色紙にはマンガが描かれており、そのナレーションにいわく、「最近のお父さんは、先日の青山裕企さんとのトークライブであまりウケずに終わった後、控室でしばらくの間 「お笑い芸人さんってすごいね……」としか喋らなくなっていたのがとても面白かったです」。その時の状況を描いた似顔絵マンガが絶妙だった。

 そしていよいよ、原画の展示が始まる。


(画像は、会場入口を別方向から見た様子)

 展示は、ほぼ、作品の発表された年代順に従ったのか、まず最初に『ふたりと5人』単行本カバー(少年チャンピオンコミックスの1,2,4,6,7,9巻)から始まっていた。次に『やけくそ天使』と続いてゆく。

 展示されていた原画は、書籍『狂想曲』に収録されたものと殆ど同じという印象で、『ふたりと5人』よりも過去にさかのぼる原画は無かったという点でも一致するようだ。
 「貴重な原画や資料200点以上を展示」と、ポスターやチケット等に文言がある。はて、そんなにたくさん? と思い、展示されている全ての原画の題名と枚数をメモし、後で数えてみた。
 確かに原画だけでも、「サテライト」のほうで展示された11枚は加算せず、数え間違えていなければ、253枚(付記:トラフィックプロモーションのかたからのご教示によれば、合っているとの事)。なるほど……。なおこの数値は、背景と人物が別々に描かれており、印刷段階で両者が合成されている場合には2枚として計算したものである。また「陽射し(遠くを見つめる少女)」のように下絵・ラフ・完成と展示されていた作品は3枚と数えている。
 で、それらに加え、小さく雑多な部品を組み合わせた立体物、「ジャンクオブジェ」と名づけられた作品群(書籍「アル中病棟」p.34参照)が全部で47点。だから両方合わせればきっかり300という数値になる。
 これはすごい。
 なお、特筆すべきと思われるのは、中に、この「吾妻ひでお原画展」のための描き下ろし作品、『球体と少女』という絵が1枚、展示されていた事である。何が描かれていたかと言うと……。会場へ来られなかった人たちの為にこの絵は、いつかどこかであらためて公開して欲しいものだ。

 他には、「第10回手塚治虫文化賞 マンガ大賞」のトロフィーおよび盾、「平成17年度 文化庁メディア芸術祭 マンガ部門大賞」のトロフィー、Tシャツに団扇(うちわ)にバッグにPCゲームにレコードにピンバッヂにトランプ、デビュー作(『リングサイドクレイジー』)が掲載された雑誌付録など、いろいろな物品がガラスケースに収められていた。


(画像は、会場を出、振り返って出口を見たところ)

 会場出口の手前には物販コーナーがあり、単行本の他、以下のようなものが扱われていた(価格は全て税込)。

<オリジナル版画>
・瞳 157,500円
・遠くを見つめる少女 157,500円
・ブキミロボの花嫁 126,000円
・遠い惑星の夜明け 126,000円
・森の中のななこ 99,750円
 (以上は各、限定50エディション)
・ななことカエル 42,000円
・訪問者 42,000円
・三つ編みの少女 42,000円
 (以上は各、限定70エディション)

 *これらの版画は、原画の極めて精巧な複製で、数cmまで近寄ってじろじろ見ても、オリジナルの手描きかと思えるようなものになっている。

<トートバッグ>
陽はまた昇る 1,995円
 *生地は白。

<マグカップ>
・吾妻ひでお 1,995円
 *白地に赤。絵柄は「ひでお童話集・ごたまぜ篇 おおおおお」の中の1コマで、ミニサイズの吾妻ひでおが7人、頭をかかえて「アイデア」と叫びながら走り回っている光景。

<Tシャツ>
・タバコおばけ(生地の色:ヘザーベージュ)
・のた魚(生地の色:ブラック)
・不条理日記(生地の色:グレー)
 *各3,885円

<クリアファイル>
・河に棲む物
・アリス
・ななこと小さい生き物
・宇宙船にテレポーテーションしてきたエイリアン
 *各A4サイズ、各368円

<ポスターカード>
・ルージュとななこ
・ミャアちゃん社交界デビュー
・ポロンとパーン
・あめいじんぐマリー
・阿素湖のセーラー服
・踊るミャアちゃん
 *各A5サイズ、各368円

 僕個人の感想としては、「ふたりと5人」より前の時代の原画が展示されなかったのはやはり残念。
 それと、オリジナルグッズに『失踪日記』や『アル中病棟』、『地を這う魚 ひでおの青春日記』のそれが無いのは意外だった。

 ともあれ、こうした展覧会があれば、また行きたい。皆様にも、機会がありましたらぜひお出かけをおすすめしたいです(2014年3月には福岡の博多阪急で開催の予定)。印刷では決して再現しきれないだろう細かい描き込みのある原画、鮮やかな色彩を持つ原画を数百枚(!)も生で見られるのはやはり、迫力が違うのです……。





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