旧サイト「98（無気力プロのこと）」の「（13）無気力プロ」などで少し書いたのだけれど、新たに単独でここにページを起こし、情報をまとめ直してみようと思う。
「無気力プロ」は1970年代後半に、吾妻ひでお作品の作画が行われていた場所（ないし人の集まり）だ。あまり語られる機会が無かったのではと思われるのだけれど、吾妻マンガの諸作品、さらには現在に至るまでが構築されるうえで重要な存在だったはずだと僕は考える。
「アシスタント（のアシスタント）」みたいな形で僕が無気力プロへ何度かお邪魔したさい、みぞろぎさんには直接お会いできた。しかし僕は、そのご本名すら正確に教えていただいた経験が無い。まことに残念なのだがこれは、最初に白状しておかねばならぬだろう。
「みぞろぎ・こう」と僕は表記しているが、これは、無気力プロの発行していたコピー新聞『アリス(ALICE)』に掲載された自己紹介のイラストで、ご自身がそのように書いておられたと記憶しているからだ。しかしその新聞の現物はもはや僕の手元に存在せず、記憶が正しいかどうかを確認する手段は無い。
これがいささか問題だ。
2019年となった今、ネット検索をかければ、著者名「みぞろぎ孝」で、いろいろ出版物が発見できる。しかし困ったことに、或る出版社の紹介記事を読むと作者名には「ミゾロギ
タカシ」と注釈が付されているのだ。
はたして「無気力プロ」におられた「みぞろぎ・こうさん」と同一人物なのかどうか？ 僕にはそれすら知り得ない。
以下の記述は、両者が、「おそらく同一人物であろう」、という仮定に立脚している。この点をどうか許して欲しい。
・1969年
小学館 週刊少年サンデー 14（3月30日）号
（旧サイト「40（単行本未収録作品）」の「ミニミニマンガ」に画像）
『まん劇道場』に「みぞろぎ孝」（p.273）および「溝呂木孝」（p.275）の名前があり、これが、現物で確認出来ている最も初期のデータ。なお、この号は吾妻ひでおが上部の余白で、無言劇の、カットふう極小サイズのマンガを発表している（当時の事は『地を這う魚』の第5話『契機』を参照されたい）。このあとに週刊少年サンデー編集部を経由して、吾妻ひでおと何らかのコンタクトがあったのだろうか？
・1973年
秋田書店 冒険王
『王ちゃんクラブ』（編集部と読者の橋渡しをするコーナーか）に「みぞろぎ孝」の名前がある。この『王ちゃんクラブ』は、『冒険王』が『TVアニメマガジン』（1983年5月号）に誌名変更するまで続いており、ずっとページを担当していたらしいことがうかがえる。
秋田書店 冒険王 夏休み増刊号
『シャドウやん』（読み切り）発表
・1977年
秋田書店 冒険王 お正月増刊号
『シャンプーくん』発表
・1979年
秋田書店 冒険王 4月号？
フレッシュよみきり『ハッスル父ちゃん』発表
・1980年
秋田書店 冒険王 7月号?
よみきりギャグ 『たまに? 父ちゃん』発表
・1981年
秋田書店 冒険王 8月号？
『おやつベスト5』
・1982年
秋田書店 冒険王増刊 アタックコミック 12月号？
『チェンジがぶっとマン』発表
・1983年
秋田書店 冒険王 1月号?
『王ちゃんのお正月クイズ大作戦』
秋田書店 TVアニメマガジン 5月号?
（『冒険王』は『TVアニメマガジン』に誌名を変更して1984年6月号まで刊行されたが、こちらでは『ミクロマン読者クラブ』を、ずっと担当したようだ。）
・1986年
1月
わんぱっくコミックス (ファミリーコンピュータ必勝テクニック完ペキ版 15)
『スーパーゼビウス ガンプの謎』
3月
『阿羅漢』 ムービーコミックス
（2001年4月に再版？）
8月
『ピーチ姫救出大作戦』 ムービーコミックス
＊このころから、ゲーム関連の仕事が増えたらしい？
・1990年
2月
『頭に直撃！ クイズ＆パズル 1』上梓
2月
『頭がねじれる！クイズ＆パズル 2』上梓
・1991年
2月
『大迷路 立体迷路アドベンチャー』上梓
10月
『大迷路 2 立体迷路アドベンチャー』上梓
12月
『大迷路ジュニア 立体迷路ゲームブック』上梓
・1992年
8月
『ロールプレイングスーパー迷路 わくわくポケット』上梓
11月
『大迷路 3 立体迷路アドベンチャー』上梓
12月
『大迷路ジュニア 2 立体迷路ゲームブック』上梓
・1993年
12月
『大迷路ジュニア 3 立体迷路ゲームブック』上梓
・1994年
8月
『迷路の達人』上梓
・1995年
7月
『頭脳迷路 君はどこまで進化する！！』上梓
7月
『頭脳迷路 みぞろぎ孝・迷路の世界』上梓
・1997年
4月
『パズルの王様 1』上梓
4月
『パズルの王様 2』上梓
7月
『あってるさがし 達人パズル』上梓
・2006年
11月
『脳を鍛えるスーパー大迷路 5歳から90歳まで』
＊まだ現物を確認できていない出版物が多く、このため発行年月日などが、あやふやです。今後、加筆修正してゆこうと思っています。