はじめに
(2006.11.8.付記:本日『ネオ・アズマニア1』が発売された(ハヤカワコミック文庫、全223ページ、税込み定価651円、画像はその表紙)。さて、この書籍には以下の作品群が収録されている。
○大いなる除草
○メチル・メタフィジーク(全話)
○どーでもいんなーすぺーす(全話)
○るなてっく(全話)
○ホーキ売りの季節
○あとがき
これらのうち特に『どーでもいんなーすぺーす』は、全6話を収録した書籍がかつて複数出版されてはいたものの、いずれも絶版となって久しく、入手がやや困難だったのではないかと思われる。そうした事もあって今回の出版は有意義なのではあるまいか。)
『失踪日記』p.144で、「SFマガジンにも描けて夢のようだった」と作者が語っているのはこの『メチル・メタフィジーク』シリーズをさしていると思われる。ここではマガジンハウスから1998年8月20日に発行された版をテキストに用い、あらすじをまとめてみようと思う(この書籍は、奇想天外コミックス吾妻ひでお作品集=①SFギャグ傑作集『メチル・メタフィジーク』の復刻だそうだ。)。画像はその表紙で、METHYL METAPHISIKと併記されている。メチルは化学物質の名称で、メタフィジークとはドイツ語の「形而上学」(Metaphysik)からきた造語であろうか? なお表題作の他にこの書籍では、
・るなてっく
・偉大な種
・島島ランド
・こうして私はSFした
が、収録されている。以下、順に紹介してゆきたい。