(まえがき)
"Scrap school"
この作品は2006年5月25日に秋田書店のコンビニ本で再販されるらしい(「スクラップ学園天真爛漫編」 300円)。絶好の機会だと思うので、当ブログでも本日より取り上げることにした。
(2007年11月22日付記:第3巻の内容紹介を開始しました)
さて……。吾妻マンガにはしばしば女子高生が登場し、なかには主役をつとめている者もいる。おそらく最も有名なのはTVアニメ化され海外でも放送された”ななこ”なのではあるまいか。この「スクラップ学園」の主人公であるミャアちゃん(猫山美亜)は、いうなればその対極に位置づけられるキャラクターではないかと思う。
ななこは性善説の見本みたいな少女であり、それがいわゆる”天然ボケ”となって発せられているように感じられる。いっぽうミャアはクール・ビューティーで、常に度胸がすわっている(時にふてぶてしく小生意気ですらある)という印象がある。とはいえ、この二人には共通点も見られるようだ。それは「何があっても動じない」こと、すなわち「どれほどヘンなものに遭遇しようと、どれほど困難な状況に陥ろうと、どうにか受け止めて対応してしまう」という点である。そういう彼女たちなればこそ毎回物語は進展してゆくわけで、二人とも流石は主人公だ。
ミャアちゃんの何となく女王様型な性格特性はしかし、第1話の最初から完成した状態で描かれているわけではなく、連載が続くうち徐々に形成されていったように感じられる。この点については今後このサイトで話してゆけるだろう。
最初に出版された単行本(秋田漫画文庫)は3巻で完結しているのだが、残念ながら最終回までを収録していない。画像はそのカバー。これを見ると第1巻と第3巻ではヒロインの容姿がだいぶ写実的に変化してきている事が分かる。